ハンス・J・シュテーリヒ『世界の思想史 上・下』(白水社)  まえがき  凡 例 ヤスパースのことば 序 文   本書の目的――自己批判的な緒言――哲学の対象――若干の主要な観点 第一部 東洋の哲学  第一章 古代インド哲学   T ヴェーダ時代    一 賛歌時代の文化と宗教    二 供物秘儀の時代――カースト制度の発生    三 ウパニシャッド時代     (a) アートマンとブラフマン     (b) 輪廻と解脱     (c) ウパニシャッド思想の意義   U インド哲学の非正統派    一 チャールヴァーカの唯物論    二 マハーヴィーラとジャイナ教    三 仏教     (a) ブッダの生涯     (b) ブッダの教え      文献――神をもたぬ宗教――ダルマ〔法〕――道徳的な世界法則――再生、解脱、ニルヴァーナ――実践倫理     (c) 仏教の歴史と伝播     (d) 仏教哲学の諸派      否定の論理――仏教の主流四学派――禅仏教に関して若干   V インド哲学の正統派    一 ニヤーヤとヴァイシェーシカ    二 サーンキヤとヨーガ    三 ミーマーンサーとヴェーダーンタ   W インド哲学のその後の発展の展望と一応の評価  第二章 古代中国の哲学   T 孔子    一 孔子の生涯    二 九つの古典的な書物    三 儒教哲学の特殊な性格    四 人倫的理想    五 国家と社会   U 老子    一 老子の生涯    二 道と世界――原理としての道    三 賢者の道としての道    四 国家と社会    五 道教の後期の発展について   V 墨子の学とその他の二、三の傾向    一 墨子    二 名家    三 新墨子学派    四 法家学派   W 孔子の偉大な門弟たち    一 孟子    二 荀子    三 『中庸』編   X それ以後の発展の展望と一応の評価    一 中国の中世哲学     (a) 王充     (b) 陰陽学説    二 中国における仏教    三 新儒教の時代    四 中国哲学の一般的性格と意義 第二部 ギリシア哲学  概 説――主要な時代  第一章 ソフィスト出現までのソクラテス以前の哲学   T ミレトスの自然哲学者たち    一 タレス    二 アナクシマンドロス    三 アナクシメネス   U ピタゴラスとピタゴラス学派    一 ピタゴラスの生涯と学説    二 ピタゴラス学派   V エレア学派    一 クセノファネス    二 パルメニデス    三 エレアのゼノン   W ヘラクレイトスと五世紀の自然哲学者たち    一 ヘラクレイトス    二 エンペドクレス    三 レウキッポスとデモクリトスの原子論    四 アナクサゴラス  第二章 ギリシア哲学の隆盛期   T ソフィスト    一 概説    二 プロタゴラスとゴルギアス    三 ソフィストの活動の意義   U ソクラテス    一 ソクラテスの生涯    二 ソクラテスの学説   V プラトン    一 プラトンの生涯    二 プラトンの作品    三 方法に関する叙説    四 歴史的出発点    五 イデア論     (a) 哲学することの推進力としてのエロス     (b) 哲学することの方法としての弁証法     (c) イデアの存在     (d) イデアと現象    六 人間学と倫理学     (a) 魂と不死     (b) 徳    七 国家     (a) 現存の憲法と批判     (b) 理想的国家    八 批判と評価     (a) プラトンの国家論の批判に関して     (b) ギリシアの精神史におけるプラトンの位置     (c) プラトンと後世   W アリストテレス    一 アリストテレスの生涯    二 アリストテレスの生涯の著作    三 論理学     (a) 概念     (b) 範疇     (c) 判断     (d) 推理     (e) 証明     (f) 帰納法    四 形而上学     (a) 個と普遍     (b) 質料と形相     (c) 存在者の四つの原因     (d) 神学    五 自然     (a) 自然学     (b) 生物の段階的領域    六 人間学、倫理学、政治学     (a) 人間     (b) 徳     (c) 国家    七 批判と評価   X ソクラテス学派、プラトン学派、アリストテレス学派    一 ソクラテス学派    二 プラトン学派    三 アリストテレス学派  第三章 アリストテレス以後のギリシア・ローマ哲学  概 説――ヘレニズム   T ストア学派    一 ストア哲学の創始者とおもな代表者    二 ストア体系の性格とその区分    三 ストア学派の倫理学    四 ストア哲学の歴史的意義   U エピクロス学派   V 懐疑学派   W 折衷学派    一 ローマの折衷学派    二 アレクサンドリアの折衷学派   X 新プラトン主義    一 プロチノス    二 新プラトン主義の末期と古代哲学の終末 第三部 中世哲学  概 説――キリスト教の誕生 時代の区分  第一章 教父哲学の時代   T 古代ギリシア・ローマとキリスト教の精神態度との対立    一 神と人間    二 人間と人間    三 人間と世界    四 キリスト教の排他的性格   U 教父哲学者におけるキリスト教と古代哲学との最初の接触   V キリスト教の内面的危機    一 グノーシス派     (a) グノーシス派の由来と代表者     (b) グノーシス派の根本思想と特色      弁神論――認識としてのグノーシス――神秘主義としてのグノーシス    二 マニ教    三 アリウスとアタナシウス   W 教会統一の教科   X 初期の教父哲学者、アウグスチヌス    一 アウグスチヌスの生涯と著作    二 アウグスチヌスの哲学     (a) 魂の深み     (b) 《われ思う、ゆえにわれあり》     (c) 三位一体説     (d) 創造と時間     (e) 意志の自由と予定説     (f) 歴史と神の国   Y アウグスチヌス以外の初期教父哲学の教師たち  第二章 スコラ哲学   歴史的概観――スコラ哲学の方法   T 初期スコラ哲学(普遍論争)    一 論争点    二 実在論者     (a) エリウゲナ     (b) カンタベリのアンセルムス     (c) ギヨーム・ド・シャンポー    三 唯名論、ロスケリヌス    四 暫定的な解決、アベラルドゥス   U 中世アラビア哲学とユダヤ哲学   歴史的概観    一 アラビア哲学    二 ユダヤ哲学   V 全盛期のスコラ哲学    アリストテレスの世界支配――キリスト教的思惟と回教的並びにユダヤ教的観念との触れあい――集成――大学と教団    一 アルベルトゥス・マグヌス    二 トマス・アキナス     (a) 生涯の著作     (b) 知識と信仰     (c) 神の現在性と本質     (d) 人間と魂     (e) 政治学     (f) トマスの意義    三 ダンテ   W 後期スコラ哲学    一 ロージャー・ベーコン    二 ドゥンス・スコトゥス    三 ウィリアム・オッカム   X ドイツ神秘主義、マイスター・エックハルト 第四部 中世末期からカントまでの哲学  第一章 ルネサンス時代ならびに宗教改革時代の哲学   T 中世から近世への精神的転回    一 発明と発見    二 新しい自然科学    三 人文主義ならびにルネサンス    四 宗教改革    五 近代への社会的・政治的転回――新しい法哲学と国家哲学――     (a) マキャベリ     (b) グロチウス     (c) ホッブス     (d) モーア   U 過渡期の最も重要な体系    一 クザーヌス    二 ブルーノ    三 ベーコン    四 ベーメ  第二章 バロック時代における三大哲学体系   T デカルト    一 その生涯と著作    二 根本思想    三 デカルト哲学の影響とその発展および批判   U スピノザ    一 その生涯    二 著作    三 スピノザの影響――批評   V ライプニッツ    一 生涯とその作品    二 ライプニッツ哲学の根本思想     (a) モナド論     (b) 予定調和     (c) 弁神論    三 批評――ライプニッツ哲学の継承と影響  第三章 啓蒙時代の哲学   T イギリスにおける啓蒙主義    一 イギリス経験論の先駆者    二 ロック    三 バークリ    四 ヒューム    五 イギリスの宗教哲学ならびに啓蒙主義時代の倫理   U フランス啓蒙主義    一 イギリス啓蒙主義理念のフランス侵入    二 モンテスキュー    三 ヴォルテール    四 百科全書家ならびに唯物論者    五 ルソー (a) 生涯・作品・根本思想     (b) ルソーの意義      ルソーと啓蒙主義――ルソーと革命――ルソーと後世   V ドイツ啓蒙主義    ヴォルフ――フリードリヒ大王――レッシング  第四章 カント   T 生活・性格・著作   U 前批判期    一 カントの自然科学的著作    二 批判的問題の発生   V 純粋理性批判    一 特色・構造・基礎的概念    二 超越論的感性論     (a) 空間     (b) 時間     (c) 数学の可能性    三 超越論的分析論     (a) 問題     (b) 範疇     (c) 純粋悟性概念の演繹論     (d) 超越論的判断力     (e) 自然科学の可能性    四 超越論的弁証論     純粋思弁的な理性の一覧表   W 道徳性と宗教    一 実践理性批判     (a) 基礎的概念      その一覧表     (b) 根本思想      断言的命法――自由――善と悪――義務と傾向――結び    二 単なる理性の限界内における宗教   X 判断力批判    一 問題    二 三批判への結語   Y 批判期以後の著作    一 もっとも重要な論文    二 道徳哲学     (a) 法理論      予備条項――確定条項     (b) 徳論    三 結語   Z カントの批判と評価    一 批判的観点     (a) 体系の内的合理性     (b) カントの方法    二 哲学にとってカントがもつ意義 第五部 十九世紀および二十世紀の哲学  概 説  第一章 ロマン主義およびドイツ観念論   T カント哲学の継承と発展――信仰哲学者    シラーとゲーテ――ハーマン――ヤコービ――ヘルダー――シュライエルマッハー   U フィヒテ    一 フィヒテの生涯と著作    二 フィヒテの哲学の根本思想    三 実践的適用     (a) 倫理学     (b) 国家     (c) 宗教   V シェリング    一 シェリングの生涯・精神的発展・主著    二 同一哲学の根本思想    三 自然    四 芸術   W ヘーゲル    一 ヘーゲルの生涯と主著    二 ヘーゲル哲学の一般的性格、弁証法的方法    三 哲学の三段階的構造     (a) 論理学     (b) 自然哲学     (c) 精神の哲学      主観的精神――客観的精神――絶対的精神    四 歴史    五 評価と批判  第二章 実証主義、唯物論、マルクス主義   T フランスの実証主義者、コント    一 その精神的状況    二 コントの生涯と著作    三 実証主義の原理    四 三段階の法則    五 科学の段階構造     (a) 哲学の課題と効用     (b) 科学の分類    六 社会・国家・倫理   U イギリスの実証主義    一 その精神的状況    二 ベンサムとミル    三 スペンサー     (a) ダーウィンと進化思想     (b) スペンサーの生涯と著作     (c) 進化の法則     (d) 人間社会     (e) 批判のために   V ヘーゲル学派の崩壊とドイツにおける唯物論の台頭    一 精神的状況    二 シュトラウスとフォイエルバッハ   W マルクス    一 生涯と著作    二 ヘーゲルとマルクス     (a) 弁証法的唯物論     (b) 自己疎外と自己実現    三 史的唯物論    四 資本論    五 その意義と影響  第三章 ショーペンハウアーとニーチェ   T ショーペンハウアー    一 生涯・人物・著作    二 意志と表象としての世界     (a) 表象としての世界     (b) 意志としての世界    三 世界の苦と救済     (a) 悩みとしての生     (b) 救済の美的な道――天才と芸術     (c) 救済のための倫理的な道――意志の否定    四 結論――批判のために   U ニーチェ    一 生涯と主著    二 ニーチェ哲学の統一と特色    三 鉄槌をもつ哲学者    四 新しい価値    五 ニーチェの評価のために  第四章 傍系の流れ――カントに対する批判的反省   T 傍系の流れ    一 フリースとヘルバルト    二 帰納的形而上学、フェヒナーとロッツェ    三 エドゥアルト・フォン・ハルトマン   U 新カント主義    一 一般的考察、その成立    二 マールブルク学派    三 西南ドイツ学派    四 ファイヒンガー    五 ドイツと他の国々の類似した流れ  第五章 二十世紀哲学の主要な方向   数学・物理学・生物学・心理学・生活力としての技術における科学革命   T 実用主義    一 ジェームズ    二 デューイ    三 ヨーロッパにおける実用主義   U 新実証主義    一 発生と特質    二 ラッセル    三 ヴィトゲンシュタイン    四 ウィーン学派   V 生の哲学、生命論、歴史主義    一 一般問題    二 ベルグソン     (a) 空間と時間、悟性と直覚     (b) エラン・ヴィタール(生の飛躍)     (c) 道徳と宗教    三 活力説――ドリーシュ、形態説、フリートマン    四 ドイツにおける生の哲学および歴史主義     クラーゲス――カイザーリンク――ジンメル――シュペングラー――ディルタイ   W 現象学    一 出発と特質    二 フッサール    三 シェーラー   X 新しい形而上学    一 概説    二 アレグザンダー    三 ホワイトヘッド    四 ニコライ・ハルトマン     (a) 古い存在論と新しい存在論     (b) 実在的世界の構造     (c) 人間・決定・自由    五 新スコラ主義(新トマス主義)    六 カントに対する現代の評価への補足的論評   Y 実存哲学    一 概説――キルケゴール、マルセル    二 ヤスパース     (a) 包括者     (b) 実存     (c) 超越者     (d) 限界状況と究極的挫折    三 フランスの実存主義    四 その他の実存哲学の代表者   Z 存在問題の展開――ハイデガー   [ 結語    知と信仰――東と西――多元性  あとがき  事項索引  人名索引